子どもの頃、不動産の広告を見るのが好きでした。
もちろんそのときの自分に家なんて買えるわけはないのですが、間取り図を眺めながらそこでの暮らしを妄想するのが楽しかったのです。
「この家だったらここを自分の部屋にしよう」とか、「庭はもうちょっと広い方がいいよなあ」と、独り言をつぶやいていました
(親はどう思っていたんだろう?)。
そのうち見るのに飽きてくると、自分で間取り図を描くようになりました。
もちろん、建築基準法がどうだとか、快適な生活動線がどうだとか、そんなことは何もわかっていません。
それでも、設計図通りに組み立てるプラモデルよりも、むしろ設計図をつくる方にハマってしまったのです。
大学は建築系の大学に進みました。父親は税理士事務所を営んでいたこともあり、自分も建築事務所を開くことを夢見るようになりました。
しかし、授業は当然にして製図製図製図・・・の連続。
楽しかった“遊び”が、だんだんと苦しい“作業”に思えてきました。
気晴らしにサークル活動でもやろうかと、友人の誘いで広告研究会に入部しました。
そこで気づいたのです。自分は不動産の図面を描くことよりも、不動産の広告をつくることの方が向いているんじゃないか、ということに。
もちろん広告研究会は不動産広告専門ではありませんでしたが、広告の基礎の基礎を学びました。
マーケーティング、デザイン、コピーを中心に、理論の学習やワークショップを通して知識・技術を身につけ、大学のフリーペーパーなど、
実際の媒体も制作しました。
ああ、これが自分のやりたかったことなのかもしれないなと、強く実感するようになりました。
広告で人の心を動かすこと。特に不動産広告を通し、夢のマイホームとの架け橋になりたい。
それこそが、自分が働く上での軸なのかもしれないと思うようになりました。
教授の反対を押し切り、僕は広告制作会社への就職を決めました(親は「自分のやりたいようにやれば?」という感じでした)。
その会社は不動産広告を専門に扱っており、自分の希望通りの就職先でした。
実際に仕事をし始めてから気づいたのですが、不動産広告にはいろんなルールや縛りがあります。
宅地建物(タッケン)取引業法という法律だったり、不動産公正取引(コウトリ)協議会の取り決めだったり。
消費者にとっては一生に一度あるかないかの大きな買い物ですから、基本的には消費者保護の立場に立っています。
というか、不動産業者はすべて悪で(これは僕の偏見かもしれません)、少しでも消費者に誤認を与えるような表現はNGになります。
たとえば、不動産の表示に関する公正競争規約には「特定用語の使用基準(表示規約第18条第2項)」という項目があり、「物件の形質その他の内容又は価格その他の取引条件に関する事項について、『最高』、『最高級』、『極』、『特級』等、最上級を意味する用語」の使用は禁止されています。そんなこと、間取り図を楽しく見ていた子どもの頃の僕は知る由もありません(「最高級キッチン」とか、よく目にしていた気がするのですが、気のせいでしょうか・・・)。
とにもかくにも、いま僕は、ややこしくもすばらしいタッケンとコウトリの世界で仕事を頑張っています。
このサイトでは、不動産広告をつくる上でのルールや縛りについて紹介していこうと思います。
きっと不動産や広告に興味のないあなたも「へー、そうなんだ」という新しい発見があるはずです。
名前:間取りマニア
性別:男
年齢:25歳
建築系の大学を卒業後、不動産広告を専門に扱う広告制作会社に就職して、現在3年目。
ややこしくもすばらしいタッケンとコウトリの世界で仕事を頑張っています。
<参考サイト>
□【公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会】 http://www.sfkoutori.or.jp/
いつもお世話になっております。
□【軸ラボ】 http://www.jikulabo.com/
就職活動中にお世話になりました。
□【FUTURE+ K大学の大学選び支援団体】 http://universityselection-futureplus.net/
大学を選ぶとき、こんなサイトに出会っていたらよかったな。